第二次世界大戦中から、米ソを中心に核開発が始まりました。1945年に広島・長崎に原子爆弾が投下され世界中の国々は核兵器の威力を知ることとなります。核兵器は当初は戦略爆撃機による攻撃でしたが、時代とともにミサイルでの「抑止力」に変わりました。

現在でも世界中には無数の核ミサイルが存在し、日本もいつ核攻撃を受けても不思議ではない状況です。しかし現実は官民共に対応や準備は「核対策先進国」に比べ大きく立ち遅れているのが現状です。一方「核対策先進国」は長年に渡り、核攻撃を受けた際の備えを行ってきました。

今回の記事では、様々なタイプの核シェルターを保有するドイツの実態に触れながら、日本もどのような対策を取ればよいかというヒントを探りたいと思います。

 

1.自力で数年間避難生活ができるエリート用の核シェルター

ドイツ国内には億万長者用の核シェルターが複数存在します。あらゆる状況を想定しており、耐久性に優れています。近距離での核爆発による衝撃波や熱風、生物および化学兵器による攻撃に耐えうる構造になっています。

面積は21,108平方メートルもあり、5km以上のトンネル状の地下室があります。衝撃波に強いのは、山頂が岩石構造になっているためで、温度や湿度が安定するため快適に過ごすことができます。

水や電力は自給でき、外の世界から隔離されても独立して生活できるようになっています。
核シェルターの内部には病院、レストラン、プール、映画館、フィットネスジム、バー、バスルーム、下水管、空調、通信回線、インターネットなどの環境が整っています。さらにパン製造所、浄水施設、井戸、テレビ局やラジオ局まであります。

 

2.ベルリンのショッピングモールの地下にあるグーダムの核シェルター

ベルリンのグーダムという街では核シェルターを見学することができます。英語とドイツ語のガイドが付き核シェルターについて詳しく解説してくれます。ショッピングモールにある地下駐車場の扉を開けると核シェルターに繋がる構造になっています。

この核シェルターはドイツが東西に分裂した1975年に建設されました。 3500人を2週間収容できるように設計されています。 内部には空気清浄機、トイレ、食料庫も完備されています。

ツアーでは核攻撃による爆発が起こった際のシミュレーションをしてもらえます。シミュレーションではシェルター内に響く恐ろしい振動と音を体験することができます。

 

3.要人を収容する政府専用核シェルター

ドイツには政府専用核シェルターがあります。正式名称は「連邦憲法諸機関退避所」と呼ばれています。3000人を収容することができます。入口で入場料を払い、案内人による解説を聞くことができます。核シェルター内部には自家発電機、空気清浄機などが備えつけられています。

特徴としてはシャワーが水ではなく、空気で放射能を吹き飛ばす構造になっていることです。水だと使用後は汚染水になるためです。内部には897室もの事務室・会議室と986室の宿泊室が備えられています。政府や軍のなどの要人が30日間生活できるようになっています。

 

〈ドイツでは核シェルターが身近に存在し気軽に体験できる〉

日本と比べドイツでは身近に核シェルターが存在し体験することができます。国レベルだけでなく、民間レベルでもいかに核攻撃に対する危機感を持っているかの表れでもあります。核シェルターには核攻撃による爆風などの直接的な被害に対処するだけでなく、避難生活が長期化することを想定して様々な工夫がなされています。

日本でも核攻撃に対する不安が広がり、核シェルターの必要性が徐々にではあるものの叫ばれるようになりました。ドイツを始め世界中には「核対策先進国」がたくさんあります。それらの国の実状を踏まえると日本も何をすべきかが見えてきます。

今回の記事を読んでドイツの核シェルターの実態について理解が深まればと思います。