アメリカが第二次世界大戦で広島・長崎に原子爆弾を投下し、間もなく日本は無条件降伏しました。原子爆弾の投下は核爆弾の威力を世界中に知らしめ、世界中で核開発競争が激しくなりました。やがて大量に核ミサイルを保有したアメリカとソビエトの冷戦時代に突入したのです。

冷戦時代の核攻撃と言えば、専ら戦略爆撃機によるものでした。しかし、常に互いの国の近くに核爆弾を搭載した爆撃機を飛行させるのは手間を費用がかかりすぎるため、徐々に核ミサイルによる攻撃へと変化しました。

核ミサイルの弾道部分が小型化し、弾道距離が長くなるとアメリカでは官民問わず核シェルターによる避難の重要性が高まり、経済力を活かし独自の発展を続けてきました。

今回の記事では、冷戦時代から独自の発展を続けているアメリカの核シェルター事情についてご紹介します。

1.ICBM発射サイロを改造した、70人が5年間生き残れる高級核シェルター

アメリカは1960年代に「アトラスミサイル」というICBM(大陸間弾道ミサイル)を実践配備しました。このICBMを格納するサイロは、敵国からの核攻撃やあらゆる天災を想定しており、非常に堅牢に建設されました。

この高級核シェルターは「核シェルターコンドミニアム」と呼ばれています。価格は150万ドル(約1億7000万円)~300万ドル(約3億4000万円)と高級です。シェルターというより地下都市という表現がピッタリです。

地下15階建てのマンションで、内部にはゴルフ練習場・アスレチックジム・プール・フリークライミングの壁などが設置されており、レジャーを楽しむことができます。

石油の備蓄がなくなった場合、風力発電に切り替えることも可能です。また5年分の食糧が備蓄されていますが、それ以上の長期戦を想定し野菜の栽培や魚の養殖をする設備もあります。

2.パイプ型核シェルターの需要が高まっている。

アメリカでは最近、冷戦時代以来の核シェルターブームがおこっています。日本では盛んに北朝鮮の核ミサイルの脅威について報道されるようになりましたが、アメリカでも同様の事態になっています。北朝鮮の核ミサイルの弾道距離が伸び、アメリカ全土を射程圏内におさめたと言われているためです。

アトラス・サバイバル・シェルターズ社が販売する核シェルターは巨大なパイプを使用しています。比較的簡単な構造ですが、あらゆる核ミサイルの被害を想定した造りになっています。

分厚い入口ドアの内部には、床下収納・空気清浄機・トイレ・キッチン・寝室が設置されています。放射性物質・熱戦・炎に耐えうる厚い壁と屋根でできています。1日平均1基という売れ行きで、今後は年1,000基を販売する見込みがあるぐらい人気の核シェルターとなっています。

3.日本での受注が増えている箱型核シェルター

日本での核シェルターの普及率は0.02%と低いのが現状です。しかし、最近の北朝鮮情勢もあり、日本からアメリカへの核シェルターの受注が増えています。

販売する側からすれば、核の脅威が顕在化し、経済力のある国であればという条件が整えば「普及率が低い市場こそ開拓されておらず今後伸びる可能性がある」と考えるようです。

最近日本から受注が増えている核シェルターの1つにアトラス・サバイバル・シェルターズ社製の「箱型シェルター」があります。同社が販売する核シェルターは新築時に地下に設置します。放射性物質・生物兵器・化学兵器がもたらす有害物質に対応しています。

内部には、トイレ・キッチン・ベッドなどがあります。最も小さいのが6畳程度の大きさで、45,000ドル(約500万円)です。高さは2.1mあるのでそれほど圧迫感はありません。

4.アメリカより直輸入しているアンカーハウジング社の核シェルター

アンカーハウジング社はアメリカから輸入した住宅を販売する会社ですが、核シェルターも取り扱っています。アメリカのメーカーがアメリカ軍の監修のもと、1950年より製造し、世界50か国以上に輸出しています。核攻撃・地震・家事・バイオテロなどあらゆる災害に対応しており、スタンダード・デラックス・スーパーデラックスの3タイプがあります。

スーパーデラックスは4~6人用、その他は3~4人用です。非常用トイレは含まれないため、長期戦を想定するなら、別途用意する必要があります。

空気清浄機能のあるエアクリーナーシステム・入口ドアが閉鎖されても8トンまで押し上げるパワージャッキシステム・ソーラー蓄電システム(1ヶ月使用可能)・1ヶ月分の食料を備蓄できる床下収納があります。

 

<アメリカの核攻撃時の対処方法は関する教育は徹底されています>

昔から「備えあれば患いなし」と言います・有事の際に身を守るには普段からいかに準備するかが鍵になります。FEMA(アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁)が想定している核攻撃への準備すべきことは、

・核シェルターに丸2日留まる。
・保存食を備蓄しておく。
・水を備蓄しておく。
・通信機器を準備する。
・医薬品を準備する。
・普段からニュースを見る。
・核攻撃を想定し、可能な限り核攻撃のターゲットになりにくい場所に避難する。

です。私たち日本人が読んでも参考になる項目ばかりです。

今回の記事を読んで、アメリカ核シェルターについて理解が深まればと思います。